2025.4.5.Sat
今日のおじさん語録
「なんのために生まれて来たのだろう。そんなことを詮索するほど人間は偉くない。/杉浦日向子」
名品巡礼
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連載/名品巡礼

ジャケットにも古着にも
ちょっといいよね!?
Mon Oncleが
フィレンツェの匠とつくった
新しいアスコットスカーフ

撮影・文/山下英介

「ぼくのおじさん」のトレードマークになるような新しいネックウエアを、「アット ヴァンヌッチ」というブランドにつくってもらった! ジャケットでおめかししたときも、古着をラフに着こなしたときにも、これひとつ巻くだけでサマになっちゃう便利で粋な1枚がほしい! そんな注文から生まれた新型アスコットタイが、手前味噌ながら思いのほかいい感じだったんだ。ここではその魅力をじっくりと語らせてほしい。よかったらチェックしてね!

フィレンツェが誇る
工芸品的ネックウエアを
カジュアルに楽しみたい!

「ぼくのおじさん」の創刊直後に登場して、フィレンツェが誇る伊達男フランコ・ミヌッチ氏について語ってくれた加賀健二さん

そのときは紹介できなかったけど、彼がフィレンツェで運営するブランド兼工房「アット ヴァンヌッチ」のネクタイは、イタリアのマンマたちが丁寧に手づくりする、それはそれは素晴らしい名品だ。加賀さんは紳士服の黄金時代といわれた1930〜40年代のアーカイブ柄の生地を現代によみがえらせるとともに、フィレンツェで自身の工房を設立し、腕のいい職人さんを雇用。現地でも途絶えつつあった、手縫いによるネックウエアづくりの技術を復興させたんだ。

フィレンツェ郊外にある「アット ヴァンヌッチ」の工房。女性が多く働くこの工房での作業は、裁断から縫製まですべて手作業。特に生地の「地の目」を見極めながら折り畳んでいく作業や、縁を手でかがる技術は素晴らしい。生地が上質であることは言うまでもないが、この技術があるからこそ、ここのネクタイはふんわりと立体的できれいなドレープを描くのだ。こんなネクタイをつくれるブランドは、世界でもここしかないよ!

工芸品そのものとも言えるものづくりと、粋な色柄が融合したそのネクタイは、当然かなり高価ではあるが、量産品を圧倒するオーラは一目瞭然。世界の名だたる高級セレクトショップは、たいてい「アット ヴァンヌッチ」のネクタイを揃えているのだ。・・・きっと「ぼくのおじさん」の読者は知ってるよね?

当然編集人もこちらのネクタイが大好きでたくさん所有しているのだが、ここ数年は仕事内容の変化もあって、すっかりファッションがカジュアル嗜好に。フォレスティエールやテバジャケットのようなアウターや、襟のないシャツを着ることがほとんどで、ネクタイを締める頻度もすっかり減ってしまったのだ。

「アット ヴァンヌッチ」のもうひとつの魅力は、個性的なオリジナル生地だ。紳士服の黄金期といわれた30’s風の柄はほかにもあるが、こちらは単なるリプロダクトにとどまらず、それらを現代的にアレンジし、極上の生地との組み合わせによってアップデートさせている。決して大量生産しない生地ばかりだから、他の人とかぶらないのも支持される所以だ。スーツ生地を使ったネクタイも、こちらが他ブランドに先駆けて始めたもの。ちなみにセレクトショップバイヤーたちの間では、「アット ヴァンヌッチ」でどんな生地を選ぶかが、センスの見せどころ。その買い付けは真剣勝負なのだ。

・・・それでも「アット ヴァンヌッチ」のネックウエアを使いたい! だって魅力的なんだもの。

そんな思いから編集人は、今までなかったデザインを「アットヴァンヌッチ」に注文してしまった。カタチとしてはアスコットタイに近いけれど、ネックポイントにあるプリーツは省いて、極力シンプルにつくってもらった。これによって普通のアスコットタイよりも、ずっとカジュアルな表情が生まれている。

こちらが「ぼくのおじさん」と「アット ヴァンヌッチ」の協業によって生まれた新型アスコットスカーフ、「Nuovo Ascot(ヌォーヴォ・アスコット)。その詳細はぜひオンラインストアでチェックして!

オンラインストアはこちら
(4月4日19時〜発売開始)

世界的に有名なネクタイの達人である加賀さんに似合うのは当然だけど、ちょっと不精者で洒落者とは程遠い編集人にも、サマになっちゃうのがこの新型アスコットのすごいところ。ただひと巻きするだけだから、普通のスカーフよりもずっと取り入れやすいよ。
ウール80%、シルク15%、カシミア5%という、なんとも贅沢な混紡素材を使った絡み織りの生地。絶妙なベージュの発色もさることながら、このドレープがたまらないんだ。
こちらは上の色違い。ネイビー無地は使い勝手が抜群だ。
こちらはネイビーのストライプ。ネクタイだったらビジネス対応しそうな生地だけど、このデザインならマリンやワークっぽいスタイルにも似合いそうだ。
こちらはシルク50%、ウール50%の生地。プリントではなく、1枚の中に3つの異なる織りが封じ込まれた立体的な生地で、なかなかの変わり種だけど編集人は大好きだな! 
こちらも実に凝ったジャカート織り。ネイビーとオレンジのストライプ柄には小さな小紋柄が織り込まれていて、すっごい高級感を放っている。かなりの存在感だけど、このカタチなら取り入れやすい。最初はご覧のとおりボリューミーだけど、使い込むほどにほどけていくはず。
こちらは一番シンプルな薄手のシルクツイルのプリント生地。シルク生地だけど光沢感は控えめで主張が強すぎず、いろんな着こなしに合うと思う! 軽やかだから風に吹かれたときのドレープがまたきれいなんだ!
こちらは上の生地の色違い。
玉虫っぽい光沢感のシルク生地に、イチョウの落ち葉が織り込まれた抒情的な柄。こういうのをツイードのジャケットに合わせると、本当に格好いいと思うな。
女性がブラウスにサラッとひっかけても素敵。まだ女性には知られていないブランドだと思うけど、ぜひチェックしてもらいたい。もちろんシェアで使ってもいいよね。
ネクタイの結び方をするとこんな雰囲気に。洗いざらしのオックスフォードシャツとか、衿芯のないオーバーサイズのカジュアルシャツに、無造作に合わせると、ちょっとキュートでいいと思う。

サラッと首にひっかけても、ひと巻きしても、ネクタイみたいにラフに結んでも、どんなふうに使ってもサマになって、しかもスーツスタイルだろうとTシャツにジーンズだろうと合わせられるという、絶妙な塩梅のネックウエアが完成したのだ。ネクタイ用の高級感あふれる生地も、このデザインに置き換わるとまた雰囲気が変わるよね!? とまあ、手前味噌ながら思わず絶賛したくなるほどに抜群の完成度。加賀さん、そしてフィレンツェの職人さんたち、ありがとう!



編集人が愛用するテバジャケットやフォレスティエール、リネンのノーカラーシャツと合わせてみたけれど、なかなかいい雰囲気でしょう? ジャカード織りはボリューミーな質感だけど、使い込むほどにほどけてきて、より落ち着いたドレープ感を描いていくと思う。そんな経年変化も、この新型アスコットの魅力なのだ。

ちなみにネクタイと違って芯地も入っていないし極めてシンプルなつくりに見えるけど、この袋縫いはすべて手縫い。工房のなかでも古参のおばあちゃんが、ものすごく細かくていねいなピッチで、2枚の生地を繋ぎ合わせているんだ。これはネクタイ並みに手間がかかってるよ。

パッと見はわかりにくいけど、手縫いならではの縁の表情が実に味わい深い。機械で縫って機械でプレスされる量産品じゃペタッとして、こんないい雰囲気にならないよ。

生地選びにはブラウンかブルー系の洋服を着ることが多い編集人の個人的嗜好がかなり反映されているけど、プレーンなシルクの小紋プリントから巻いたときのボリューム感が面白いジャカード織り、そしてドレープ感が贅沢すぎるウールシルクカシミアの絡み織りまで、とても面白いものが揃えられたと思う。編集人は全部使いたいぞ! ちなみに加賀さん曰く「ボリューム感あるシルクツイルやじゃカードは、2年くらい使い込むと素材の硬さがほどけてきて、いい感じにこなれてきますよ」とのこと。個人的にはこのハリ感も好きなんだけど、使っていくことで変化していく風合いも楽しめるのだ。

(今のところ)世界のどのセレクトショップでも買えない、「ぼくのおじさん」=Mon Oncleによる完全なオリジナルデザインの新型アスコット、いわば「Nuovo Ascot(ヌォーヴォ・アスコット)」。実は先日アトリエで開催したテバジャケットの受注会で試験的に販売したところさっそく大好評だったので、生地によってはすでに希少。無闇に煽りたくはないけれど、本当に使えるネックウエアなので、お早めにどうぞ。

そういえば加賀さんは近日中に日本国内で修理工房をつくり、アフターケアの体制を整えると言っていた。機械式カメラでもクルマでも万年筆でも、人間の手でつくられたものは多少高くても修理ができて、長いこと使うことができるんだ。

このヌオーヴォ・アスコットも、そんなふうに長く愛用してもらえるといいな。

やっぱり「アット ヴァンヌッチ」の巻き方が一番上手なのは加賀さんだ! この領域にはなかなか辿り着けないけど、初心者でもいい感じに巻けるのが、この「ヌオーヴォ・アスコット」の真骨頂なのだ。みんな、気軽に楽しんで!

オンラインストアはこちら
(4月4日19時〜発売開始)

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