2024.12.22.Sun
今日のおじさん語録
「なんのために生まれて来たのだろう。そんなことを詮索するほど人間は偉くない。/杉浦日向子」

11月2〜3日開催!
P.J&CO.が提案する
奥深いヴィンテージ
シルバーの世界にようこそ

11月の「ぼくのおじさん」は、注目のクリエイターや職人さんを招いたリアルイベントが盛りだくさん! その先陣を切るのが、11月2〜3日に開催するシルバーアクセサリーのトランクショーだ。やってくるのは、ティファニーに特化したヴィンテージシルバーを取り揃えたPJ.ANTIQUE JEWELRY(ピージェイアンティークジュエリー)と、その世界観にインスパイアされたオリジナルブランドのP.J&CO.(ピージェイアンドコー)。ここではそのふたつを主宰する山田大智さんに、奥深いヴィンテージシルバーの世界を教えてもらった!

ヴィンテージ
ティファニーの
魅力って?

PJ.ANTIQUE JEWELRY(ピージェイアンティークジュエリー)とP.J&CO.(ピージェイアンドコー)を主宰する山田大智さん。普段は都内に構えたアトリエを拠点に、腕利きの職人との緊密な連携を保ちながらものづくりに励んでいる。
最近、ティファニーのアンティークやヴィンテージのシルバーアイテムに注目が集まっていると聞きますが、本当ですか?

山田大智 ぼくはラルフ ローレンに勤めていた10年以上前からヴィンテージ市場でIDブレスレットを集めてきたのですが、最初はものすごく安くて、鉄屑みたいにボウルの中に詰め込んで販売されていました。それが今ではすごい人気になっていて、オークションサイトではIDブレスを中心にどんどん偽物が出回り始めています。ぼくが本格的にジュエリーを集め始めたときは、アメリカのディーラーからも「クレイジー」だと笑われましたが(笑)。ただ、今の価格についてはその価値が正当に認められたという意味では納得しています。今までエルメスとここまで差がついていたことが自体がおかしかったわけですから。

近年注目度を飛躍的に高めている、ティファニーのブレスレット。
ひと昔前はあまり人気がなかったんですか?

山田 アメリカには昔からティファニーのシルバーを集めている人たちのコミュニティがあるんですが、お金持ちのお屋敷にある銀器やサーベルみたいな世界が主流だったんですよ。ティファニーのシルバージュエリーはあまりにも種類が多すぎて、エルメスでいう「シェーヌダンクル」みたいな売り方ができなかったことも、今まであまり注目されなかった理由だと思います。それがぼくにとってはラッキーだったとも言えますが。

山田さんが昨今注目している、記念メダルをチャームにしたペンダント。
ティファニーのシルバーって、アメリカではどんな立ち位置なんですか?

山田 お金持ちの世界はもちろんですが、意外と庶民にも親しまれているんですよ。アメリカの遺品セールなんかに行くと必ず出品されていますから、スプーンくらいなら庶民でも買えたんじゃないかなあ。加えていわゆるミリタリー用のブレスレットやリング、さらにスポーツ競技の優勝トロフィーまでつくっていましたから、幅広い層に人気だったと思います。

現代でいうと?

山田 ぼくが扱っているヴィンテージやアンティークシルバーの世界ですと、やはりラルフ ローレン好きな方が多いですね。実はPJ.ANTIQUE JEWELRYを始めたときは、ぼくがつくっていたカバーオールに合わせる提案をしていたこともあって、アメカジ好きの男性が主な顧客でした。最近ではスーツを着るようなお洒落な方々が増えてきて、半々くらいでしょうか。

その魅力って、ズバリどこにあるんですか?

山田 これだけ掘れて、これだけ色々なモノが出てきて、知らないことがたくさんあるという意味では、コレクター目線でいうと面白すぎるブランドですね。こんなに男心をくすぐるモノって、そうないですよ。

ここでの説明は省略しますが、その歴史はもちろん、ものづくりのスタイルも他のメゾンブランドやジュエラーとはかなり違いますものね。では、プロダクトとしての特徴は?

山田 現代のシルバーとは全く表情が違います。シルバーって、スポンジのように気泡が多いんですが、当時のシルバーはプレス機を使って鍛造しているので(熱して金属を叩きながら密度を高める製法)、その泡が抜けて鉛やネズミっぽい色になるんです。ぼくはこれが大好きで。

まさに昔ながらのシルバースミス(銀職人)がつくるシルバーなんですね! 今のモノとは違うんですか?

山田 今はキャストを使っていますから(液状のシルバーを型に流し込む製法)、ゴマシオみたいな気泡が出がちですし、だいぶ質感は違いますね。原料のシルバーそのものも、イリジウムやパラジウムみたいな金属を企業秘密の割合で入れることによって、ピカピカにしちゃうんです。これはぼくにとってはいらないディテールなんですけど(笑)。ですから最近、特にLVMHに買収された後のティファニー製品は全く手にとっていません。

そんなティファニーコレクターがつくったオリジナルのブランドがP.J&CO.になるわけですが、これはどんな展開をされているんですか?

山田 P.J&CO.は自社のアトリエでつくる受注生産のブランドで、ヴィンテージのティファニーにインスパイアされたベルトのバックルやそれに合わせるベルト、そしてスターリングシルバーをボタンにあしらったカバーオールなどを展開しています。このボタンは傷つけた後に燻しを入れたのでかなり黒ずんでいますが、逆に使うほど地金が見えて光ってくる。つまり〝逆のエイジング〟をするんですよ。

スターリングシルバー製のボタンをあしらったP.J&COのカバーオール。こちらはボタンの黒ずみが取れた着用サンプルだ。
お〜、これはすごい!

山田 シルバーという素材にはまだまだ可能性を感じます。本当にぼくは好きですね。

ティファニーのヴィンテージバックルとP.J&COのオリジナルバックル。
最近は大手のセレクトショップからもアプローチがたくさん寄せられるらしいですが、私たちのアトリエみたいな小さな空間でトランクショーを開催してくれるのには、何か理由があるんですか?

山田 あまり出入りが多いところだと、ひとつひとつのジュエリーについての説明ができないので、ぼくのいる意味がないんですよ(笑)。ぼくはひとつのジュエリーに興味を持ってくださったお客様には、持てる知識の限りを尽くしてご説明して、そのよさをしっかりお伝えします。だって、決して安いモノではありませんから。いつかお客様がちょっとお金に困ったときも、これだけは売らずに取っておこうと思えるような(笑)、そんなシルバーの魅力をお伝えしたいですね。

ラインナップ①
P.J&CO.の
コレクション

P.J&CO.を象徴するアイテムが、スターリングシルバー製のバックルとベルト。2種類のバックルと8種類の革を組み合わせ、さらにイニシャル刻印やハンドエングレービングによって、唯一無二の名品を手に入れられる。オーダー価格は7万円+税〜。
シルバーの凝りに凝った造型と、手縫いで仕上げたベルトとの組み合わせが、なんとも心を昂らせる。
こちらは使用後のサンプル。風合い豊かに育ったシルバーの質感がたまらない!
オプションとして、写真のようなハンドエングレービングも可能。中央にはイニシャルを刻印しよう。
ベルト幅は約2.1㎝なので、ジャケットやスーツ、ジーンズなど合わせるスタイルやトラウザースを選ばない。
こちらはヴィンテージ生地を使い、アトリエで制作されるカバーオール。4つのフロントボタンと、ふたつの袖ボタンはともにスターリングシルバー。生地と相まって、使い込むほどに風合いを増していく。こちらは7万円+税。
ゴシック調の装飾が施されたベルトチェーン。中心部にイニシャルの刻印を施すことも可能。
英国やヨーロッパの上流階級に愛された、シグネットリング。中央にイニシャルを施して使いたい。

ラインナップ②
PJ.ANTIQUE JEWELRY

1930年代に米国海軍で用いられていたボースンホイッスルは、ミリタリーアイテムとは思えないほどに優雅なデザイン。¥360,000+税。
1980年代にビクトリノックスとのコラボレートでつくられたマルチツール。各¥40,000+税。
マネークリップもティファニーのシルバーを代表するアイテム。カルティエの銀器も製造していた名門ファクトリーThomae&Companyや、Blackinton&Co.などのファクトリーが製造している。上から¥34,000+税、¥38,000+税。
近年高騰を続けているゴールドのシグネットリング。写真上は1960年代のシグネットリング(14k)、写真下はティファニーの歴史においても重要なデザイナーである、ジャン・シュランバージェが生み出した名作。上から¥710,000+税、¥870,000+税。
右は1900年代につくられたミリタリーのメダル。中央は1928年にアメリカの銀行がつくった表彰メダル。左は1980年代につくられたイニシャルチャーム。ティファニーは政治、商業、軍事の世界にまつわる記念品やメダルを数多くつくっている。右から¥200,000+税、¥180,000+税、¥48,000+税。
1890〜1900年頃につくられた手彫りの飾りバックル。ここまで複雑な手彫り装飾は、現代ではなかなか再現できないという。各¥75,000+税。
かなり珍しい、1930年代につくられたスターリングシルバー製の靴べら。ハンドルに手彫りされたアール・ヌーヴォー調の装飾が美しい。¥67,000+税。
ティファニーの真骨頂はやはり銀器にあり。貝殻やクローバーをモチーフにしたトレーは、アクセサリー用のトレーとして使いたい。中央奥¥55,000+税、右¥48,000+税、左¥65,000+税。



ここで紹介したのは
ほんの一部!
イベントの詳細は
こちらから


P.J&CO.
PJ.ANTIQUE JEWELRY

トランクショー


【場所】
Atelier Mon Oncle
住所/東京都新宿区水道町1-9 しのぶ荘(地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩4分、地下鉄有楽町線江戸川橋駅から徒歩6分程度)


【開催日時】
2024年11月2日(土曜)12:00~19:00
2024年11月3日(日曜)12:00~19:00


【展開商品】
⚫︎P.J&CO.のオリジナルアイテム(ベルト、バックル、カバーオールなど ※受注生産につき約2〜3ヶ月ほどで納品させていただきます)
⚫︎PJ.ANTIQUE JEWELRYのアンティーク&ヴィンテージジュエリー


【入場】
予約優先
※フリーのお客様も大歓迎いたします。


【決済方法】
クレジットカード・現金


【ご予約・イベントのお問い合わせ】
info@mononcle.jp
もしくはDMにてお願いいたします。

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